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土地相続税を圧縮するために未接道の農地を処分したい!(沖縄県中頭郡読谷村)

ご相談者:K.H 様(インターネットからのお問い合わせ)
横浜市鶴見区

 沖縄県に相続で取得した農地があります。
その農地は道路に接道しておらず、使いようがありません…。
子ども達が将来の相続を考慮し、専門家に相続税評価額を算出してもらったところ、使えない農地にもかからわず、相続税評価額が4,000万円でした…。
このままその農地を残してしまうと相続税ばかりかかってしまい、破綻してしまいます。
地元不動産会社にも相談しましたが、農地であることに加え道路に接道していないことを理由に全ての地元不動産会社から断られてしまいました。
この使えない農地を子どもに残さないためにも、リライトさんのほうで農地の売却を請け負っていただけないでしょうか?

状況

相続税を圧縮するために未接道の農地を処分したい!(沖縄県中頭郡読谷村) 状況
【所在】沖縄県中頭郡読谷村字大木
・道路に接していない未接道の農地
 ※大部分が農地、一部が貸宅地として利用
・相続税評価額は、4,000万円
・農地までには幅1.8mの路地の通行が必要
・全体の面積は1,400㎡

解決策

1. お客様との打ち合わせ

 当初、インターネット経由でお客様のお子様からお問い合わせをいただきました。
そして、後日、まずお子様にご来店いただき、詳細をお聞きしました。
 お客様は、相続で沖縄県中頭郡読谷村にいくつかの土地を取得されていました。
一部は第三者に借地しており、地代収入を受け取っていました。
ただ、今回のメインとなった相談地は、未接道の農地でした。
 面積は全体で1,400㎡。
その一部300㎡を第三者に借地し、少ない地代を受領していました。
その他の1,100㎡については接道がないため、建物の建築ができるわけでもなく、手付かずのままでした。
 お客様がご高齢ということもあり、お子様が税理士の先生に相続税評価額を計算していただいたところ、建物が建てられない農地にもかからず、相続税評価額が4,000万円だったそうです…。
 お客様のご意向は、「この相続税評価額だけが高い未接道の農地をタダでもいいから手放したい」というものでした。(お子様も同じご意向でした)
 そして、お子様が主体となり、地元不動産会社に処分のご相談をされたそうですが、「農地であること」と「未接道であること」を理由に全ての不動産会社から「うちでは取扱いできない」旨の回答があったそうです。
 そこで当社にご相談いただいたのですが、私の方でお客様の問題を解決すべく、まずはお子様より売却希望の土地の資料一式をお預かり、作戦を練ることにしました。

2. 役所調査でのポイント

 お預かりした資料一式を確認し、現地調査に向けて準備を進めました。
インターネットで登記情報を取得し、都市計画や農地の種類を電話でヒアリングしました。
 そして、スケジュール調整をし、後日、読谷村の現地に乗り込みました。
読谷村についてから行ったことは、村役場、土木事務所での調査。
この調査の中でいくつかのポイントがありました。

・農業委員会において
 調査対象の農地は違う用途に変更することは可能か、そして、誰でも農地を購入することができるのかをヒアリング。
 結果、農地以外の用途に変更はできるものの、それ相応の理由がないと用途変更(農地転用)は認められないとのことでした。
この時、車両の乗り入れができない農地ということもあり、車両置場やソーラーパネル用地などの転用も難しく、かつ、県外の方の購入も難しい旨の回答をいただいたのです。

・固定資産税課において
 未接道の農地にもかからわず、評価額と固定資産税が高いから下げられないかと問い合わせをしましたが、村では今回の案件について評価額や固定資産税についての減額は受けられないとの回答でした。
※他の市町村においては、過去に同様の問い合わせをし、評価額を下げることに成功した事案もありました

・建築指導課において
 未接道の農地でも約1.8mの路地があったため、何かしらの方法で建物の建築ができるようにできないかと協議をしましたが、様々な要件があり、現実的に建物を建築できるようにするには無理がありました。

 その後、他の窓口などでも調査を実施。
1日かけて法令上の制限について調査を終えることができました。

3. 現地調査と近隣住民へのアプローチ

 法令上の制限の調査を終え、現地に向かいました。
 現地は、車の行き来ができる道路から幅1.8mの路地の奥にありました。
隣地との境界標もなく、一部は第三者が借りており、一部は樹木が生い茂っていました。
 まずは、借地人の方を訪問。
私が伺った経費などを説明し、借地人の方に借りていない樹木が生い茂っている部分も含めて購入の意向はないか確認しましたが、借地人の方からは「家が建てられない農地を買い受けるつもりはない」という回答でした。
 そして、もう1件の隣地を訪問しました。
その隣地は、農地と道路との間にあるお宅で、その方が買い受けることができれば、地所と売却案件である未接道の農地を含め、一体の敷地として建物を新築できるようになるのです。
なお、その隣地の方訪問時は、お子様しか在宅しておらず、私の名刺をお渡しするに留まりました。
他の隣接している方々も訪問しましたが、これと言ってお話が進む可能性はありませんでした。

4. 地元専門家への訪問

 現地調査を終えた後は、予め確認していた専門家に連絡をし、訪問しました。
まずは、土地のお隣との境目などを決める土地家屋調査士の先生。
続いて、農地売却のための農地法の許可申請をしていただく行政書士の先生。
いずれもお会いして、まずはお見積りをお願いしました。
そして、この打ち合わせを終え、私は横浜の会社に戻ってきました。

5. 購入希望者との打ち合わせ

 現地調査などを終え、横浜に戻ってきた際、お子様しかご在宅されていなかった農地の隣地の方よりお電話をいただくことができました。
 この時、私より隣地の方に「隣の未接道の農地の売却のために動いている」旨お伝えしたのです。
 すると先方さんからは「条件次第で検討する」とのお話をいただくことができました。
ただ、お隣さんの土地は、お電話でお話しされた方(弟さん)のお兄様が土地を所有されており、弟さんご自身で買い受けようとしても所有権の問題でお話を進めることは難しそうでした。
 そんなある日、お隣さん(弟さん)を通じて隣地の土地の所有者であるお兄様よりご連絡をいただくことができたのです。
 お兄様からも「条件次第で買い受けても良い」旨のご返事をいただくことができ、後日、読谷村に訪れた際にお兄様のご自宅を訪問し、金額、購入条件等詳細の打ち合わせをしました。

6. 売買契約の締結と測量・農地法の許可申請

 契約に向けての再三再四の打ち合わせを実施。
 契約までは課題が多く、それでも諦めずに調整をしていった結果、未接道の農地にもかかわらず1,000万円で売買契約を締結することに成功したのです。
 契約締結後は、予めお会いして打ち合わせをしていた土地家屋調査士の先生に測量及び境界標の設置をお願いしました。
 測量の際には、一部借地している土地については、分筆し、当社が買受ける段取りをし、残りの農地部分(売却部分)については測量が終わると行政書士の先生に農地法の許可申請の依頼しました。
未線引き区域の農地の売買の際には所有権移転の際には農地法の許可書が必要となります。
景観条例、開発協議を得て、無事に農地法第5条許可を取得。

7. 売主様の本人確認と残代金・引渡し

 今回の案件の所有権移転登記について、買主様の指定する地元司法書士の先生が担当することになりました。
 そのため、買主様の残代金のお支払い前に読谷村の司法書士の先生に神奈川県にある売主様がご入所されている高齢者施設まで足を運んでいただき、そこで本人確認(売却の意思の確認)を行っていただきました。
 その後、買主様、司法書士の先生、私とお引渡し日の調整をし、後日、読谷村にある買主様が指定された金融機関に集合し、土地のお引渡しと残代金の授受を行ったのです。
この時、売主様はご同席出来なかったため、残代金は売主様の指定口座に振込送金にて買主様にお支払いいただきました。
 規制が厳しい農地かつ未接道ということも影響し、当初契約から約6ヶ月が経過したところで全ての手続きを終えることができました。

担当者からの一言

 今回の案件のポイントは「不動産会社によって変わる対応」でした。

 売却物件は、農地法の規制がかかる未接道の農地でした。
普通に考えると確かに扱いづらい…。
農地の売却が大変なことは、よく取引きをしているだけにわかります。
しかも今回は未接道ということもあり、ほとんどの不動産会社は「売れない」と言い、取扱いができませんでした。

 そんな中、当社は売却がしづらいということを認識しつつ、「チャレンジ」しました。
その結果、売主様が「タダでもいいから手放したい」と言っていた未接道の農地を見事「1,000万円」で売却することに成功したのです!

 このように不動産の売却や購入については、その不動産会社毎に対応が変わります。
もちろん、当社が全てにおいて最良の会社であるとは一切思っていません。
ただ、言えることはそれぞれに得意分野があるので不動産会社に不動産について相談するときは、相談する会社がその道の不動産を得意分野としているのかどうかは予めリサーチする必要があります。

 いや~、難しい農地、無事に売却することができ、私自身ほっとしました。

関係者のみなさま、本当にありがとうございました!