ご相談事例

戸建建替えができない老朽化した戸建を処分したい!(埼玉県川口市)

ご相談者:A.Y 様(インターネットからのお問い合わせ)
埼玉県川口市

 埼玉県川口市に以前住んでいた戸建があります。
その戸建は、私が購入時は住んでいましたが数年前に引越しをして以降、賃貸していました
ただ、入居者の方が退去されたため、売却を考え、地元不動産会社に相談しました。
地元不動産会社からは「建替えができない」、「建物が老朽化しているから解体しないと売れない」と言われてしまいました。
 建替えができないのにもかからず、建物を壊してしまうと建物が建てられません。
そのことを不審に思い、その不動産会社に売却を依頼することを辞めました。
本当に建物を解体しないと売れないのでしょうか?
インターネットで御社は再建築不可物件も取り扱いされていると拝見し、問い合わせしました。
私が所有する再建築不可物件の売却をお願いします!

状況

建替えができない老朽化した戸建を処分したい!(埼玉県川口市) 状況
【所在】埼玉県川口市大字東本郷
・駅からバス便エリアに立地
・境界標が大部分不明
・車が入らな路地の奥にある戸建
・建築基準法上の道路に接道していない
 ため、建替え不可
・築40年超の老朽化している
・土地面積66.60㎡、建物面積58.79㎡
・既存住宅ローンの残債がある
・建物裏側に崖がある(約5m低い)
・売主様の当初売却希望は100万円

解決策

1. お客様との打ち合わせ

 お客様よりインターネットで「以前住んでいた埼玉県川口市の戸建を売却したい」旨のご相談をいただきました。
ゆくゆく聞いてみるとその戸建は築40年が経過しており、17年前にお客様が中古でご購入された戸建でした。
お客様は当初ご自宅としてお住まいでしたが、数年前にお引っ越しされて以降、月6万円で賃貸されていました。
そして、今回、その入居者の方が退去された段階でのご売却のご相談でした。
 お客様は当社にご相談いただく前に地元不動産会社に売却のご相談をされていました。
ただ、その地元不動産会社から「建替えができない物件」、「建物が古いから建物を解体しないと売れない」と言われ、「建替えができない物件なのに建物を壊して欲しい」との言葉に不審感(建物を解体してしまうと再度建築ができないため)を覚え、その不動産会社には依頼せずに当社にご相談いただけたのでした。
聞くところによるとその戸建にはお客様がご購入された時にお借入れされた住宅ローンの残債がまだ若干残っているようでした。
最後に現地でお会いさせていただく約束をしました。

2. お客様との現地確認&売却依頼

 後日、お客様と現地でお会いしました。
 現地は、車が通行できる4mくらいの道路から一本入った1.7m幅の路地の奥にありました。
そのため、車の進入もできません。
 敷地の外回りを確認すると境界標なく、ブロック塀で囲まれているだけでした。
建物の裏側には崖地があり、隣地が約5mくらい低くなっていました。
崖地にはかなり老朽化した擁壁があり、その擁壁が隣地に越境しているようでした。
また、東側隣地が利用する電線が売却物件の上空を通過していました。
 建物は築年数が経過しており、軒先は一部剥がれ、所々に大きなひび割れなどがありました。(建物については設備の交換などが必要でリフォームには500万円前後かかってしまいそうな状況でした)
そして、心なしか建物は裏側にある崖地の方に傾いているように思えました。
 現地でそのままお客様に対して、売却についての流れや費用のご説明や市況のお話、売却予想金額をお伝えしました。
なお、売却予想金額については、売主様の売却希望金額100万円ではなく200~300万円とお伝えしたのです。
その場でお客様よりご売却のご依頼をいただけたため、売却活動に向けての写真撮影・間取り図作成に取り掛かりました。

3. 市役所などでの物件調査

 お客様との打ち合わせ後、市役所などに向かいました。
そして、建築基準法、都市計画法、法令上の制限を調査。
するとお客様よりお聞きしていた通り、売却物件の目の前にある路地が建築基準法上の道路扱いされていない通路で、建物の建替え等ができないことが判明。
他にも本下水整備エリアにもかかわらず、本下水への接続はせずに浄化槽を使用していることも発覚しました。

4. 建物を解体せずに売却活動開始

 ひと通り、調査を終え、横浜の会社に戻り、売却活動の準備に取り掛かりました。
地元不動産会社から「建替えができなくても建物を壊して更地でないと売れない」と言われた売却物件。
私は、建物そのままに中古戸建として売却活動を開始したのです。
当初売却代金は売主様と協議し、決定した380万円でスタートしました。

 いざ売却活動を開始するとその価格の安さから数多くのお問い合わせをいただきました。
ただ、建替えができないこと、多額のリフォーム費用がかかることを理由にその大部分のお客様が脱落していきました。
それでも諦めず、売却活動を続けた結果、売却活動開始から3ヶ月ちょうどのタイミングで不動産投資会社からの購入申込書をいただくことに成功しました!
その購入希望法人は、建物を賃貸用にリフォームし、入居者を入れて投資用不動産として保有する目的での購入でした。
なお、不動産投資会社の購入条件は、境界非明示・瑕疵担保責任免責(契約不適合責任免責)・現況有姿売買(擁壁が北側に越境等)という金額的(ほんの少しの価格交渉でした)にもその他条件的にも売主様にとってこの上ないもので、これには売主様も大喜びでした。

5. 既存融資の返済と売買契約の締結・お引渡し

 買主様が決定し、売買契約に向けて手続きを進めていきました。
今回のご契約については、ご契約とお引渡しが同日でのお手続き(一括決済)でした。
ただ現状、売主様には住宅ローンの残債があり、売却物件に抵当権が設定されていたため、売主様に予めその既存借入を完済をしていただき、借入金融機関より完済証明書・抵当権抹消書類一式を受領していただきました。
そして、後日書類が揃った段階で売主様、買主様、司法書士の先生と私が集まり、売買契約の締結、売買代金の授受、鍵のお引渡しなど一切の手続きを無事に終えることできました。

担当者からの一言

 今回の案件のポイントは「建替えができない戸建(再建築不可物件)の売却」でした。

 再建築不可物件の売却の際に絶対にやってはいけないことがあります。
それは、「建物を壊してしまうこと」です、絶対にやってはいけません。
理由は簡単ですね、建替えができない戸建は建物を壊してしまうと建物が建てられないうえに固定資産税も割高になってしまいます。
それに売却代金が解体費用に満たないかもしれませんし、建物の建築ができない土地の場合、そもそも売却できるかどうかも疑問です。
 どんな建物であろうと建物があれば、リフォームやリノベーション工事をし、その後も使用し続けることができます。
 例えば建物が傾いていても、屋根が抜けていても、床が腐っていて足の踏み場もない建物でもあれば売れるんです。
さらに言うと売主様は数年前までバス便エリアにあるこの建替えができない老朽化したを戸建を家賃6万円で賃貸していました。
このように投資として賃貸する場合には、入居者の方はその建物が建替えできるかどうか関係ありません。(建替えができないことは家賃にほとんど影響ありません)

今回の再建築不可物件も見事、売却に成功!
売れない物件はありません!

関係者のみなさま、本当にありがとうございました!