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土地他の不動産会社で「狭すぎるから売れない」と言われた土地を売却したい!(横浜市港北区)

ご相談者:M.H 様(インターネットからのお問い合わせ)
東京都文京区

 先日、父が他界し、横浜市にある土地を相続しました。
 その土地にある古家には現在高齢になる母が一人で住んでおり、土地の売却ができた時に私の自宅付近に呼び寄せたいと考えています。
御社にご相談する前に他の不動産会社に売却の相談をしましたが、いずれの不動産会社からも「土地の面積が45㎡と狭いから売れない」と言われてしまいました。
このまま残して所有し続けるわけにはいかないのでタダでもいいから手放したい!
なんとかご協力してください。
お願いします!

状況

他の不動産会社で「狭すぎるから売れない」と言われた土地を売却したい!(横浜市港北区) 状況
【所在】横浜市港北区大曽根台
・駅から徒歩15分の閑静な住宅地に立地
・駅からはかなりきつい急坂を通るアプローチ
・現況古家有り
 ※老朽化し、建物の傾き・雨漏り等有り
・土地面積が45㎡と狭い
 ※建ぺい率50%・容積率100%の地域
・宅地部分の他に第三者が通行している通路部分有り
・境界標が不明
・他の不動産会社で「売れない」と言われた土地

解決策

1. 現地でのお客様との打ち合わせ

 インターネットを通じてお客様よりお問い合わせをいただきました。
 そして、すぐにお客様にご連絡をし、後日現地でお会いすることとなりました。
現地周辺にはコインパーキングもない上にバスも通っていませんでした。
そのため、東急東横線「大倉山」駅よりかなりきつい急坂を歩いて行きました。
 現地では、お客様より状況のヒアリング。
 お客様からは「父が他界し、この土地と建物を相続しました。母も高齢となり、駅までの坂が登れなくなってしまい、さらには一人でここに住まわせておくのも心配のため、ここを処分して私の自宅のそばに呼び寄せたいと考えています。そのため、いくつかの不動産会社にこの土地の売却の相談をしましたが、全ての不動産会社から『土地が狭すぎて売れない』と言われてしまいました。あとは御社しかいません。タダでもいいので手放したいと思います。よろしくお願いします」旨のお話をいただきました。
すでに他の不動産会社数社から売れないと言われてしまった不動産でしたが、当社で売主様の売却のお手伝いをさせていただくことにしました。
当社でなければ他にご対応いただけそうな不動産会社がいないからです。
 なお、お客様との打ち合わせ後、現地をひと通り調査。
境界標は大部分がなく、売却物件の軒先が東側隣地に上空で越境していました。
また、売却物件には宅地部分の他に私道部分もあり、その私道部分は東側隣地に住むご年配のご夫婦が単独で使用していました。

2. 行政での物件調査

 お客様との打ち合わせを終え、市役所などで物件調査の実施。
 建物は昭和42年築と古く、市役所などにも建物の書類の保管はされていませんでした。
 前面道路は、幅が4m未満で建築基準法第42条第2項道路(セットバック道路)と言われる種類の道路でただでさえ宅地部分の面積が45㎡と狭いのにさらに道路後退(セットバック)が約5.9㎡も必要でした。
 用途地域は第1種低層住居専用地域で建ぺい率50%、容積率100%の地域のため、宅地部分からセットバック部分を控除した敷地面積は39.1㎡となりました。(建物を建替えした場合、建物の延床面積は39.1㎡しか建てられない土地と判明)
また、調査の際に水道管が老朽化していること、東側隣地に使用されている私道部分は建築基準法では道路扱いされていないこと、それにより東側隣地は現状、建築基準法の接道要件を満たしておらず建替えが出来ないということがわかりました。

3. 売主様との協議の末、導き出した結果

 後日、調査結果と周辺の取引事例などの資料を持ち売主様と打ち合わせを実施。
 売主様としては、「解体費用などの持ち出しがなければタダでもいいから、手放したい」というものでした。
周辺エリアにおいて土地面積が40㎡以下の土地・戸建の成約事例がないことも報告。
その際に売主様からは「煩わしいことはしたくない、それであればリライトさんの方で引き受けて欲しい」旨お願いをされました。
 そのため、当社でお引き受けさせていただくかどうかを検討。
当社から近い場所でもあり、地域もよく知っているところだったため、当社で買い受けることで決定。
他の不動産会社で売れないと言われてしまった不動産でしたが、税金のこともあるため、当社で数百万円の時価で購入することで売主様と合意しました。
 当社が購入する際の条件は、①売主様の瑕疵担保責任免責(万が一、欠陥や不具合があっても全て当社の責任と負担で対応するというもの)、②境界非明示売買(売主様は境界標の設置・測量をしなくてもよいというもの)、③現況有姿売買(古家と越境もそのまま)、④利益還元制度の適用(当社が買取再販事業で利益がでた場合、その利益の一定割合を売主様に還元させていただくというもの)でした。

4. 売買契約(買取契約)の締結と販売準備

 売主様と当社が購入させていただくことで合意後、売買契約書の作成に取り掛かりました。
案文ができたところで前もって売主様に送付、確認していただきました。
その後、売主様にご来店いただき、売買契約の締結、売買代金の授受、所有権移転登記と全て同日に手続き(一括決済)させていただきました。
 契約締結後は、販売準備にかかりました。
 まずは、古家解体の見積もりの取得。
そして、土地家屋調査士の先生に依頼をし、測量の開始、境界標を設置していただきました。
その後、その測量図をもとに建物を新築した場合の間取図を作成しました。
土地が狭かったこともあり、建物プランに記載されていた間取りは需要の少ない2Kタイプのものでした。
そして、お客様へのご紹介資料も作成し、いよいよ売却活動の開始です。
今回は、利益還元制度適用のため、当社が少しでも高く売却できれば、その利益を売主様に還元できるため、とにかく高く売却できるために工夫を重ねました。

5. 難航する売却活動を継続した結果…

 いざ売却活動を開始すると土地が狭いせいか、お客様、他社さんからのお問い合わせ、インターネットアクセス数ともに芳しくありませんでした。
 だからといって諦めることなく、ハウスメーカーや地元工務店、不動産会社や建築事務所など多方面にSNSを駆使して、売却活動を継続していきました。
 その結果…、売却活動開始から1年、ようやく買主様をお探しすることに成功!
この時、売却物件は宅地部分のみとし、私道部分は売却対象から外しておきました。
その理由は、買主様が将来転売し、東側隣地の方に対して、私道の通行を禁止されてしまうと東側隣地の方が困ってしまうからです。(当社が所有している状態であれば、そのまま安心して東側隣地の方は通行ができました)

6. 宅地部分の売却の契約・引渡し

 1年がかりでお探しできた宅地部分の買主様。
 その条件面も時間をかけただけあり、金額においてもその他の条件(古家も解体せずにそのまま残した状態で引渡し)においても当社にとって好条件を導き出すことができました。
買主様はすぐ近くにお住まいの方で今回の土地に自宅建築を予定されていました。
後日、買主様と売買契約の締結をし、買主様に住宅ローンの審査申込みをしていただきました。
土地または建物のいずれかもしくは両方が40㎡以下の物件は、その狭さから住宅ローンが利用できなかったり、融資金額が減額されてしまうことが多々あります。
ただ、今回の買主様については金融機関からの信頼もあり、すぐに融資承認が得られました。
そして、後日、買主様の利用する金融機関に集合し、残代金の授受・引渡しを終えることができました。

7. もう1つの売却活動

 宅地部分の売却が終わっても今回のプロジェクトは終わっていません。
それは、売却対象から外していた私道部分です。
 この私道部分は建築基準法の接道要件を満たしていない東側隣地(現状、建替え不可)が単独で通行していました。
建築基準法では、建築基準法に認定された道路に2m以上接していなければ建物の新築・増改築は出来ないことになっています。
この東側隣地は、自己所有部分で1m道路に接道しているため、当社の私道部分1mを購入すれば将来的に建替えができるようになり、価値が上がるのです。
そのため、当社所有の私道部分について東側隣地の方に購入を持ちかけました。
 ただ、当初は自宅をリフォームしたばかりで資金的な余裕がないと断られてしまいましたが、何度か金額の調整など打ち合わせをし、家族会議を開いていただいた結果、東側隣地の方に私道部分をご購入いただけることで話が決着しました。
 後日、買主様のお知り合いの司法書士事務所に集合し、売買契約の締結、売買代金の授受、所有権移転登記の全ての手続きを完了しました。
これで東側隣地の方も建築基準法で定める接道要件を満たし、建物の建替え・増改築ができることになりました。
何より将来、お子様に残すために「建替えができる土地」とすることができたのです。

8. 最後の仕事、売主様への利益の還元

 宅地部分、私道部分の売却手続きが完了したところで、事業収支の計算。
 宅地部分、私道部分ともに好条件で売却できたため、当初の想定以上の売却益が発生していました。
そのため、売主様に再度ご来店いただき、事業計画の内容を全てお見せし、ご確認いただきました。
この時、当初のお約束(利益還元制度)により売主様に還元させていただく金額は200万円弱もの金額となっていました。
売主様がお帰りになる際にご一緒に近くの銀行に行き、還元させていただく金額を売主様指定口座にお振込みさせていただくことでこのプロジェクトが完結しました。

担当者からの一言

 今回の案件のポイントは、「売主様に寄り添う対応」でした。
 
 当初、「売れない土地」と言われてしまった今回の売却物件。
売主様は不安で当社にご相談にいらっしゃいました。
 当社は、安く買い叩くというのはモラルに反するため、当社から売主様に利益還元制度のご提案をさせていただきました。
そうすれば、高く売却できればできただけ売主様に利益を還元できるからです。(売主様と気持ちを同調できるからです)
 その結果、当社がその土地を時価で購入し、宅地部分と私道部分にわけて各々高額売却に成功したのです。
これにより売却に関する煩わしいこと一切を当社が行い、売主様は売却金額+還元利益を受領され、宅地部分の買主様は夢のマイホーム建築ができ、東側隣地の方は私道部分を購入することで自己所有部分を建替えできる土地にバリューアップすることができたのです。
 事業期間は長期間となってしまいましたが最終的にみんながWIN WINとなる結果を迎えることが出来たのはとても喜ばしいことでした。

関係者のみなさま、本当にありがとうございました!