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土地徳島県の市街化調整区域の畑の真ん中にある更地を売却したい!(徳島県阿南市)

ご相談者:K.Y 様(取引先の従業員の方)
横浜市港南区

 私(不動産会社勤務のお客様)の方で諸事情があり、徳島県阿南市の土地を引き受けてしまいました。
その土地は、市街化調整区域の畑の真ん中にある更地の土地です。
地元の不動産会社に相談しても市街化調整区域の路地状敷地のため、売れないと言われてしまいました。
このまま所有していても固定資産税と草刈り代がかかるため、何とか売却したいと思います。
私の勤務先の不動産会社ではテリトリー外のため、自分で動くことができません。
そのため、御社に売却活動を手伝っていただきたい。
お願いします。

状況

徳島県の市街化調整区域の畑の真ん中にある更地を売却したい!(徳島県阿南市) 状況
【所在】徳島県阿南市那賀川町
・駅からバス便エリアに立地
・市街化調整区域のため、周辺は農地ばかり
・路地状敷地で通路部分を隣地と共有
・土地面積1.157㎡
・境界標が一部不明

解決策

1. お客様との打ち合わせ

 今回のお客様は、以前より当社とお取引きのある不動産会社の社員の方でした。
その方より「徳島県の市街化調整区域の真ん中にある土地を売却したい。私の勤務先の不動産会社では徳島県はエリア外のため、自分で動くことができません。リライトさんに売却活動をお願いしたい」とご相談をいただきました。
 その後、すぐにお客様とお会いし、打ち合わせ。
 お客様より資料一式をお預かりし、売却に際しての費用などをご説明。
以前からの知り合いということもあり、当社で売却活動をお引き受けすることにしました。

2. 徳島県に飛び立ち物件調査の実施

 正式にご売却のご依頼をいただいてから、物件調査の準備にかかりました。
売却物件が当社から遠方のところにあったため、2泊3日を確保。
そして、飛行機に乗っていざ、徳島県へGO。
 到着後、飛行場でレンタカーを借りて、朝から市役所・土木事務所などで調査開始。
確かに売却物件は、市街化調整区域(原則として建物の建築不可)にある土地でした。
現地は現況更地となっていますが、以前(市街化調整区域への線引前)は古家が建っており、前の所有者が古家の解体をされていました。
そのため、原則建物の建築ができない市街化調整区域ですが「線引前宅地」として行政から許可を取得できれば建物の新築ができることがわかりました。
 また、売却物件が路地状敷地だったのですが、その路地部分を隣地を持分2分の1で共有しており、その路地部分の取引めがされていないことが判明。
売却物件、隣地ともに建物の建築の際には、路地部分の使用に関する同意書が必要となることがわかりました。
さらに路地部分と宅地部分の間にある水路を跨ぐ、橋の専用許可の期限が切れていること、前の所有者からの名義変更手続きがされていないことも判明。
その件については、売主様に速やかに期限更新と名義変更手続きをしていただきました。

3. 畑の中で現地調査

 役所での調査終了後、現地確認を実施。
 現地は、両隣に戸建があるくらいであとは見渡す限り畑だけでした。
現地では境界標を確認し、隣地との越境、周囲の長さなどを確認しました。
※この時点では境界標がない部分についての越境の確認が認められませんでした
境界標については、大部分が見当たりませんでした。
現地確認の後は、そのままご近所さんにご挨拶まわり。
その際に路地部分を共有しているお隣さんともご挨拶をし、連絡先を交換しました。

4. 地元不動産会社との情報交換

 現地での近隣あいさつを終えた後は、地元不動産会社に連絡をし、訪問。
その理由は、相場や不動産の動きをヒアリングするため。
そして、対応が良い不動産会社の方であれば、コラボレーションできないかとお話しするためです。
そこでお聞きした市況は、想像通り厳しく、エリア的に「わざわざ市街化調整区域の土地を購入する方はほとんどいない。ましては、ここら辺の田舎では路地状敷地自体、買う方がいません」というものでした。
ただ、その地元不動産会社の方は非常にご対応がよく、その場で今回の売却物件についてコラボレーションができないかとお願いさせていただきました。

5. 会社に戻り資料作成からの売却活動

 ひと通り現地での業務を終え、横浜にある会社に戻りました。
そして、売主様に調査結果などをご報告し、当初売却価格を決定しました。
当初売却価格は、500万円となりました。
それから、売却活動を開始、不動産会社専用サイトや各種サイトに掲載しました。

6. 難航する売却活動・路地部分の協定書の締結

 売却活動を開始して以降、地元不動産会社へのご紹介やSNSでターゲットを想定して販促活動を実施、継続していきました。
その売却活動とは裏腹に一向に増えないお問い合わせ。
毎週の不動産会社専用サイトのアクセス数も不動産検索サイトのアクセス数も伸び悩んでいました。
ただ、そこは諦めず、遠方の物件であっても様々なところにいろんなアプローチをしていました。
 その間、隣地との共有地である路地部分について「建物建築の際に専用通路として互いに使用する」旨の協定書を隣地と締結、これで将来に亘り、トラブルとなる火種を1つなくすことができました。

7. お問い合わせから購入申込書の取得、売買契約

 難航する売却活動。
それでも諦めずに継続した結果、売却活動から3ヶ月で購入希望者をお探しすることに成功。
流れは、まず購入希望者のお客様が当社のインターネット情報をご覧いただき、当社にお問い合わせいただきました。
 そのお客様にご了解をいただいた上で現地での業務の際にお話を伺った地元不動産会社の方にご協力をいただき、現地をご案内していただきました。
そして、購入希望者のお客様より地元不動産会社の方が購入申込書をいただいたのです。
地元不動産会社の方が買主様側の不動産会社として、当社が売主様側の不動産会社としてコラボレーションを始めたのです。
なお、購入希望者の方は、太陽光パネル設置をご希望されているお客様でした。
購入条件は、販売価格から若干の価格交渉があり、かつ、境界標の明示、融資承認の取得、太陽光発電事業の許認可の取得が契約に際しての条件でした。

 購入希望者の購入条件について、売主様と協議を実施。
その結果、境界標の明示、融資承認・太陽光発電事業の許認可取得を了承する代わりとして、購入金額を50万円買い上げしていただくことでお話をお返ししました。
最終的にその内容にて買主様もご了解いただき、契約に向けて進めさせていただきました。
売買契約は、まず当社が売主様に契約内容をご説明し、売主様にご署名・押印いただきました。
それを地元不動産会社の方に郵送し、地元不動産会社の方が買主様にご説明し、買主様にご署名・押印いただき、売買契約が締結されたのです。

8. 測量による境界標の明示と融資承認・太陽光事業の許認可の取得、引渡し

 売買契約締結後、売主様は境界標の明示のために土地家屋調査士の先生に依頼し、測量の実施。
測量が終わり、境界標が設置された後に問題が発覚。
それは、売却物件にある擁壁が一部隣地に越境していたのです。
これについては、売主様、買主様と協議を重ねた結果、売主様による擁壁の是正工事をするのではなく、売買代金の減額をすることで合意。

 その間、買主様はすぐに融資申込みと太陽光発電事業の許認可申請。
融資については、問題なく承認されました。
ところが太陽光発電事業の許認可について、審査が混み合っていたため、なかなか許可がおりてきませんでした。
待てど暮らせど許可がおりてこない太陽光発電事業の許可…。
最終的に契約から8ヶ月、ようやく太陽光発電事業の許可を取得することに成功。

 そして、条件が全て揃ったところでお引渡し日の調整。
 売主様には事前に司法書士の先生と本人確認作業をしていただき、お引渡し当日は買主様と地元不動産会社の方で金融機関に集合し、売主指定口座にお振込手続きとお引渡し。
無事に売却にかかる一切の手続きを終えることができました。

担当者からの一言

 今回の案件のポイントは、「地元不動産会社との協業」でした。
 
 当社では数多くの地方の案件を手掛けています。
そのほとんどは、売りたくても売れないとお困りのお客様の案件です。
当社では、そう言った案件を「お客様の不動産問題を解決するため」に取り組んでいます。
その際、横浜に会社がある当社だけの力では正直どうしようもない場合もあります。
そんな時に行うこと、それが今回のように地元不動産会社との協業(コラボレーション)です。
地元不動産会社との協業で最も大切なことはどこの会社ではなく「誰」とコラボレーションするかということ。
今回の案件は、地元不動産会社のフットワークの軽さに助けていただきながらも無事に「売れない」と言われてしまった市街化調整区域の土地を売却することに成功しました!
不動産の売却は、当社、私だけではできません。
数多くの方々のご協力をいただきながら、売却、お引き渡しまで辿り着けるのです。

関係者のみなさま、本当にありがとうございました!