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購入当社で建物を建築希望のお客様に土地をご紹介いただきたい!(購入相談)

ご相談者:大手ハウスメーカー 様
神奈川県海老名市

 当社で建物の新築をご希望されているお客様がおります。
 そのお客様は、建物を新築したいものの土地がありません。
ご自身でお探しをしていてもなかなか良い土地がないそうです・・・。
そのため、御社のほうでお客様の土地探しのお手伝いをしていただけないでしょうか?

状況

当社で建物を建築希望のお客様に土地をご紹介いただきたい!(購入相談) 状況
お客様の状況
・建物を建築するハウスメーカーは決まっている
 ものの土地がない
・どのエリアのいくらくらいの土地を購入すれば
 よいのかわからない
・今後ご家族が増える予定があるため、お子様の
 ことも考えて、多少駅から距離があっても
 環境優先

解決策

1. お客様との面談

 以前お取引きさせていただいた大手ハウスメーカーの担当の方より「当社の営業のお客様で建物を当社で建築いただける方がいるのですが、肝心な建物を建てる土地が見つかりません。お客様ご自身でいくらか探されていたようですが、どんな土地を買えばよいのかわからず、そもそも進んでいません。お客様の夢のマイホーム実現のためにも御社にてお客様の土地探しをお手伝いいただけないでしょうか?」というお話をいただきました。
 当社としては、ご連絡いただいた担当の方が以前お取引きさせていただいたことのある気心の知れた方だったため、すぐに土地探しのお手伝いをさせていただくことを了承。
 後日、ハウスメーカーさんの展示場にてお客様をご紹介いただき、面談を実施しました。
 当初お会いした時にお客様より「自分で土地を探してみたのですが、どこのエリアでいくらくらいの土地が自分たちに向いているのかわからない。初めてのことで知らないことだらけです。ぜひ、自分たちにあっている土地をご提案いただきたいです。よろしくお願いします。」旨のお話をいただきました。
 この面談時にお客様のご希望もヒアリング。
将来的にお子様が欲しい、駅前の3階建よりかは少し駅から離れても完了を重視したい、資金的に無理はしたくない、毎月の返済希望額などなど。

2. 資金計画の作成と土地巡り開始

 後日、ハウスメーカーの方よりお客様のご希望される建物を新築した場合、いくらくらいかかるのかの見積書を図面とともにいただきました。
そして、その資料をもとに私の方で建物代金、土地代金、諸費用を考慮し、お客様に無理のない資金計画を作成しました。
その資金計画表をお客様にご確認、ご了解いただき、さぁ土地探し開始です。
お客様のご予算内でお客様のご希望を叶える物件をリサーチ。
最初は、多少条件から外れている土地も含めチェックし、お客様に現地をご見学いただきました。
多少条件から外れている土地をご覧いただいたのは、少し条件を変えるだけで購入できる土地が変わるからです。
そして、2週間に1度くらいの頻度で土地の現地見学が進んでいきました。

3. 条件の整理と購入希望物件

 お客様と土地見学を重ねていくうちに駅近で小さ目な土地ではなく、バス便でも環境が良い土地に条件が確定していきました。
新着物件は入り次第、随時お客様にご紹介。
 ご案内の度に、土地の見方や良い土地の条件などをお伝えし、お客様にとっての良い土地の条件整理を進めながら土地見学を重ねていきました。
そして、お客様とお会いしてから約10ヶ月、「これだっ」という土地に巡り合うことができました。
 その土地は、横浜市金沢区の昭和50年代に大規模に開発されたとても雰囲気の良い住宅地の一画にある北西角地の土地でした。
 バス便ではあるものの、バス停からも近く、スーパーも近くにありました。
現況、古家はあるものの、土地は77坪と広く、日当たりの良い土地でした。
お客様と現地を見学した後、ご紹介いただいたハウスメーカーの方に連絡をし、今回の土地の建物のプランと見積りをお願いしました。
 後日、その資料が届き、お客様とともに検討を重ねていきました。
私としては、今まで見た何十件もの土地の中でお客様の条件に最も近く、良い土地だったため、「こちらの土地はK様にとって良い土地でご購入いただく価値のある土地です。」とお伝えさせていただきました。
数日後、お客様より「今回の土地で進めていきたい」旨のお話をいただくことができました。

4. 購入申込書の取得と売主様側のアクションから感じるもの

 お客様より「今回の土地で進めたい」旨のお話をいただいてすぐに融資の事前審査に入りました。
今回の融資は大手ハウスメーカーさんの提携ローンだったため、審査もスピーディーに何の問題もなく、承認されました。
 土地はというと大手銀行系不動産会社が売主様の担当をしており、3,180万円で販売されていました。
売主様の担当者からは事前に「売主様は当社のVIP顧客で、金額についてかなりシビアなので価格の相談などは一切応じられない」と聞いていました。
それでも古家の解体費用などがかさんでしまうため、お客様より若干の価格のご相談のある購入申込書を取得、売主様側不動産会社の担当者と協議を重ねました。
その結果、当初より聞いていた通り、売主様からのご返事は価格含め、一切お客様のご意向には添えないというものでした。
 ここまでの売主様側不動産会社の担当者のやり取りの中でその担当者なのか売主様なのかどちらかわかりませんが複数回にわたりかなり上から目線での回答をお客様と当社にしてきていたため、売主様からのご返事をいただいた際に「気分を害されてしまっているようでしたら、無理してこの土地を買うことはありません。また一緒に探していけば良いのです。」とお客様にお伝えしました。
私は、不動産の売買契約において、売主様、買主様のどちらが上で、どちらが下ということはなく、対等な立場だと考えているからです。

5. 売買契約の締結

 後日、お客様からいただいたお話は、「売主様側の対応は誠実であるとは言えません。ただ、家族で話し合った結果、今回と同じ条件の土地は今後もでてこないと思う。そのため、自分たちの中では売主様は関係ないものと考え土地を購入することにしました。契約に向けて進めてください」というものでした。
 そして、売主様側不動産会社にて契約書の作成をし、事前にお客様にもご確認いただき、契約日を調整させていただきました。
先方の担当者は「早く契約をして欲しい。土地は横浜ですが、売主様のお住まいが埼玉県なので仕事帰りでも埼玉県まで来ていただき、契約をして欲しい」の一点張りでした。
※土地は横浜市金沢区にあり、お客様も横浜市金沢区在住でした
 金額含め一切の譲歩も全くなく、今までの対応も横柄でそれに加えて夜の仕事帰りに埼玉県まで契約に来てほしいという売主様側サイドの意向には合わせず、品川駅までであれば契約に伺うということで買主様と意見が合致しました。
 後日、契約場所が品川駅にあるホテルになったのですが、そこに売主様は現れず、売主様側不動産会社の方のみ出席されました。
契約書・重要事項説明書をお客様にさせていただいた中で当初、残置物がないということで聞いていた契約内容が、契約時点で物置が残るということが発覚。(これは売主様側サイドで当社に何も言わずに勝手に変更したものでした)
 売主様側不動産会社もお客様に対し終始平謝り、最終的にその物置撤去代を当社が負担することで合意。
※売主様側の不動産会社が銀行系不動産会社で上司からの承諾が得られないため物置撤去代の負担ができないとのことでした

契約締結時においても、いろいろと考えさせられてしまう売主様側サイドの言動・・・。
ただ、土地を契約できたことについてお客様がとても喜ばれていたことはせめてもの救いでした。

6. 住宅ローンの承認から引渡し準備

 土地の契約締結後、お客様のほうで住宅ローンの申込手続き。
事前審査も承認されていたため、即日本審査も承認されました。
そして、お引渡しに向けて調整。
 お引渡し前に現地で買主様立会いのもと、境界標の明示を行いました。
この時、売主様もご出席されたのですが、やはりその言動は買主様に対して終始上から目線的なものでした。
買主様のことを気遣い、売主様と距離を置いていただくようにしました。
当日は、売主様側サイドによる境界標の明示の後に古家内の残置物がないことを確認する予定でしたが、古家内に残置物がまだ残っている状態だったためその確認はできませんでした・・・。(残置物は引渡しの前日までに全て撤去し、写真を添付するという条件付きで了承)
その日は、買主様と一緒にご近所の方へご挨拶回り。
ご近所の方はとても感じの良い方々で買主様もとても安心されていました。

7. 残代金・引渡し

 お引渡しに向けて準備中にも売主様側サイドから「売主様はお引渡しも欠席します。売主より買主が本当にお金を支払ってくれるか心配のため、権利証などの所有権移転登記に必要な書類は、買主が残代金を振込で支払い、それが売主の口座に着金した後でないと渡せない言っている」旨のご連絡をいただきました。
 不動産売買の実務では、本来、お引渡しは売主様、買主様ともに出席をし、残代金のお振込み手続きと同時に所有権移転登記手続きをするということが慣行となっています。
 それに今回の今までの流れを考えると売主様が本当に所有権移転登記の資料を渡していただけるかも不安だったため、司法書士の先生による売主様の本人確認を事前に行っていただき、その際に所有権移転登記のための資料をお預かりいただきました。
 いろいろとバタバタしてしまったものの、売主様欠席のもと、無事に残代金の授受、所有権移転登記を終えることができました。
そして、引渡し後は買主様が古家を解体され、とっても素敵な建物を新築されお住まいになられています。

担当者からの一言

 今回の案件のポイントは、「条件整理」でした。

 不動産の購入は一生に何回もあるものではありません。
 それに不動産の購入は購入時にいくらかかるのか、将来の支払いをどうするのかなどの将来にわたる無理のない資金計画が必要となります。
また、購入する物件もどこのエリア、どのような条件の物件が良いのかはお客様ご自身でもなかなかわからないものです。
そのために不動産コンサルタントがいます。

 不動産コンサルタントは物件のご紹介(時に未公開情報のご紹介も持っています)、条件整理から契約、引渡しまでの全ての手続きのサポートをします。
ただ、より良い不動産を良い条件で購入するためには、その不動産コンサルタントは誰でも良いのではなく、信頼できる不動産コンサルタントにお願いしなければなりません。
今回の案件については、売主様サイドの言動について終始いろいろと思うところはありましたが、最終的に買主様が喜ばれて、素敵な新居を新築されたことが何よりも救いでした。

関係者のみなさま、本当にありがとうございました!