ご相談事例

土地他社で売れないと言われた分家住宅を売却してほしい!

ご相談者:K.E 様(大手電鉄系不動産会社のご紹介)
神奈川県横浜市

 相続で取得した不動産が富士宮市にあります。
昔はよく現地に行っていましたが、体調を壊してから
全く行かなくなってしまいました。
 毎年、固定資産税がかかるので数年前に地元の不動産会社に
売却を依頼したのですが、最終的に「売れない」と断られて
しまいました。
 御社にて売却を手伝っていただけないでしょうか。

状況

他社で売れないと言われた分家住宅を売却してほしい! 状況
【所在】静岡県富士宮市粟倉
・樹木が生い茂っている
・残置物が大量にある
・建物が老朽化し、雨漏りやひび割れ有り
・浄化槽のメンテナンスがされておらず、交換要
・境界が一部不明
・市街化調整区域のため、原則建物の建築不可
・私営水道組合のため、売買時に多額の費用がかかる

解決策

1. ご相談者との打ち合わせ

 お客様よりご相談をいただき、すぐにお会いして打ち合わせを
しました。
 その際に建物建築当時の設計図書・鍵をお預かりしました。
 そして、お客様が以前お願いされていた地元不動産会社の
方が「売れない」と言った経緯についてもヒアリングしました。
 地元不動産会社の方は、建物が分家住宅で開発許可が必要と
いうところまでは調査されていましたが、それ以降の手続き方法に
対応できず、お客様に「売れない」と言ってしまったそうです。
 私のほうでは、お客様とお会いさせていただいた日にご売却のご依頼を
正式にいただき、すぐに動き出しました。

2. 行政での物件調査

 お客様との打ち合わせ後、すぐに富士宮市役所等で物件調査を
行いました。
 最初のポイントは、物件が市街化調整区域にあること。
 市街化調整区域とは、市街化を抑制する地域であり、原則として
建物の建築ができません。
 なお、富士宮市においては、市街化区域、市街化調整区域の線引きが
されたのは昭和47年12月16日でした。
 そして、建物が建築されたのは昭和50年4月3日。
 つまり、市街化調整区域に指定された後に建物が建築された物件でした。
それについて担当部署で打ち合わせをしたところ、市街化調整区域での
建物を新築する際に取得する建築確認申請及び開発許可の名義や経緯に
不透明な点があることが判明。

3. 分家住宅の開発許可取得についての再三の協議

 前述の建物の建築確認申請及び開発許可の名義や経緯等に
不可解な点があることを理由に担当部署の窓口の方より、
「今回の売買で開発許可を下すことはできない」旨の回答を
いただきました。
 この開発許可の取得ができないと…買主様は建物を購入することが
できても使うことができません。
 そのため、再三、再四にわたり、担当部署の方と協議を重ねました。
…が、結果としては残念ながらもともとの建物が建築された経緯が
ネックとなり、開発許可取得ができないままでの販売活動を行うことに
なりました。
 

4. インフラについての調査

 分家住宅の調査と併せて物件のインフラ状況についても調査しました。
水道は簡易水道組合だったため、事前に組合長に連絡のうえ、訪問。
簡易水道組合の規約により、水道は使用の有無にかかわらず、毎月5,000円が
かかってしまうこと、売買で所有権を移転する際に買主様が水道を利用する
場合、簡易水道組合に100万円支払わなければならないことがわかりました。
 また、ガスはプロパンガス、下水は合併浄化槽の地域でした。

5. 現地調査と境界確認

 行政での調査を終え、現地調査をしました。
 現地は、長年手入れされていないだけあり、建物が老朽化して
いました。
 室内に多数の虫がいたり、雨漏りの後やひび割れ、外観については
軒が剥がれ落ちていました。
 敷地内、室内には大量の残置物があり、数十万円はかかりそうでした。
 土地の境界標を探しましたが、一部分が見当たりませんでした。

6. 販売活動の実施

 物件調査後、事務所に戻り、販売の準備にかかりました。
各種サイトへの登録、ご紹介用図面の作成など、どうしたら、
「売れるか」を追求し、とにかくやってみました。
 当初はお客様のご希望金額より販売を開始しましたが、
地域柄と物件の特性もあり、全くと言っていいほどお問い合わせが
ありませんでした。

7. 販売価格の変更と購入希望者

 一定期間お客様のご希望金額で販売をし、状況が芳しくなかったため、
価格を変更し、再度複数のことにチャレンジしました。
 価格変更後は各種サイトのエンドユーザー様のアクセス数、不動産会社
専用サイトのアクセス数ともに増加しました。
 ソーラーパネル用地として検討したいというお客様からも数件の
お問い合わせをいただきましたが、樹木が生い茂ってしまっているため、
具体的なお話にはなりませんでした。
 そんな中、現地調査に言った際にお伺いした2軒隣の方の知り合いの
方より「条件次第で購入も検討したい」旨のお話をいただくことが
できました。

8. 諸条件の調整

 当初、売主様と購入希望者様の間での希望金額の乖離が大きかったため、
再三、再四の協議、調整を行い、ご契約金額と諸条件について双方合意
いただくことができました。
 売買は登記簿売買とし、売主様の瑕疵担保責任は免責としました。
 また、建物については、開発許可が取得できないこと、大量の残置物も
そのままの状態でお引渡しさせていただくことも承諾していただきました。

9. 売買契約と引渡し

 諸条件の調整が終わり、すぐに私のほうでその内容を売買契約書、
重要事項説明書として文書化し、売主様、買主様それぞれに事前に
ご確認いただきました。
 そして、後日、司法書士の先生含め、現地に集合し、売買契約と
お引渡しを同時に行いました。(無事にご契約、お引渡しができました)

担当者からの一言

 今回の案件のポイントは、「買主様は一人」でした。
 物件的には市街化調整区域の分家住宅、かつ都市計画法の開発許可の
取得ができない物件(建物が使えない物件)という難易度の高いものでした。

 他社さんがお断りされるのも少しはわかります、少しだけですが。
 ただ、建物を使えなくても、老朽化してても、残置物が大量にあっても
結局は、買主様が一人見つけられればいいんです。
 買主様を10人見つける必要は、ありません。
 一人でいいんです。
 そう考えると今回のように難易度が高い物件でもなんとかなる
ような気がしてきます。
 私は何とかしたいと思います。
 売れない物件はありません!

 関係者のみなさま、本当にありがとうございました。