リライト田中の活動ブログ

「タダでも手放したい」崖地・山林の相談に、被災した私が今思うこと

2026/09/14
テーマ:ブログ

 みなさん、こんばんは。
株式会社リライト 代表の田中です。

 今回は、最近の売却相談のトレンドについて。
 今日は朝から、熱海市で被災した所有物件の書類や情報を整理していました。
その中で、今回の崖崩れがYahoo!ニュースやNHKニュースでも取り上げられていたことを知り、驚きました。

普段、ニュースで目にする災害。
それが今、自分の所有する不動産に関わる出来事になっている。

写真や書類を見返すたびに、他人事ではないという現実を感じます。

今回の件は、まだ解決した話ではありません。被害の状況や関係資料を整理し、一つずつ対応を進めているところです。原因や責任についても、現時点で決めつけてお伝えすることはできません。

ただ、この経験を通して、これまでお客様から伺ってきた「不動産を持っていることが不安」という言葉が、以前にも増して重く響くようになりました。
 

何もすることがなくても、その場にいることが大事

午後は豊島区へ。
これから売却を開始する空き家で、売主様と打ち合わせでした。
といっても、今回は売買条件の話ではなく、室内に残された荷物を片付ける残置物撤去業者さんのご紹介です。
残置物撤去は、どこに頼んでも同じではありません。

見積もりの説明、作業の丁寧さ、追加費用の扱い、そして処分の方法。
業者さんによって違いがあり、依頼先の選び方を間違えると、売主様が困ってしまいます。

そこで今回は、私が安心して任せられると考える業者さんを1社ご紹介し、少しでも売主様に安心していただけるよう、私も同席しました。
正直、その場で私が何か特別な作業をしたわけではありません。
でも、何もすることがないから、行く意味がない。
私はそうは思いません。
初めて会う業者さんに、大切な家の片付けをお願いする。
その場に、これまで相談してきた不動産会社の担当者がいる。
それだけでも、聞きたいことを聞きやすくなるのではないでしょうか。

「その場にいること」も、私たちの仕事だと思っています。

万が一、紹介した先との間でトラブルが起きたときに、「紹介しただけなので知りません」とは言いたくありません。
法的な責任の有無とは別に、紹介した者としての責任を持ちたい。
だからこそ、安心して任せられる会社をご紹介するのです。
 

空き家の片付けは、金額だけで決めない

実家処分や不動産相続のご相談では、売却の前に「家の中の荷物をどうしよう」という問題に直面することが少なくありません。

依頼前には、少なくとも次の点を確認しておきたいところです。

・何を撤去し、何を残すのか。
・見積もりに含まれる作業はどこまでか。
・どのような場合に追加料金が発生するのか。
・誰が回収し、どのように適正に処分するのか。

家庭から出るごみの回収には、市区町村の一般廃棄物処理業の許可や委託が必要です。
産業廃棄物処理業や古物商の許可だけで、家庭ごみを回収できるわけではありません。
片付けを請け負う会社だけでなく、実際の回収を担う業者や処理の体制まで確認することが大切です。

「安く片付いた」で終わらず、「安心して売却の準備を進められた」と思っていただくこと。

不動産トラブルを防ぐためには、こうした準備段階の確認も欠かせません。
 

崖地や山林を「タダでもいいから手放したい」

ここ最近、市街地か田舎かを問わず、崖地や山林について「タダでもいいから手放したい」というご相談が増えたように感じます。

これは統計の話ではなく、日々の相談を受ける中での私の実感です。
自然災害のニュースを目にする機会が増えたからなのか。
私自身の所有物件が被災し、そうした言葉に、より敏感になっているからなのか。
その理由はわかりません。

ただ、お客様が心配されていることには、共通点があります。

「自分の土地の崖が崩れたら、どうしよう」
「木が倒れて、隣の家に損害を与えたらどうなるのか」
「隣の崖が崩れて、自分の家が被災したらどうしたらいいのか」

売れるか、いくらになるかという話の前に、持ち続けることへの不安があるのです。
以前、相続した山林について相談されたお客様も、大木が倒れないかを心配され、お子様に負担を残したくないとおっしゃっていました。

全国の売れない不動産と向き合っていると、所有者様が求めているのは、売却代金だけではないと感じます。

雨が降るたびに心配しなくてよい暮らし。
子どもに同じ悩みを引き継がせなくてよい安心。

「タダでもいい」という言葉の奥には、そんな切実な気持ちがあるのだと思います。
 

「昔から大丈夫だった」だけでは判断できない

これまで崩れたことがない。
昔から家が建っている。
近所の人も、ずっとここで暮らしている。
そうした過去の状況は参考になります。
しかし、それだけで将来も安全だと判断することはできません。

私自身が被災した今、これから不動産を買う方にお伝えしたいのは、価格や立地だけでなく、「被災するリスクが少ないか」を購入条件の中心に置いてほしい、ということです。

もちろん、災害リスクを完全にゼロにすることはできません。
だからこそ、買う前に調べ、比較し、避けられるリスクをできるだけ避ける。

そのために私は、次のような確認を大切にしたいと考えています。

まずはハザードマップで、土砂災害だけでなく、洪水や津波なども含めて確認すること。
国のハザードマップポータルサイトでは、住所から災害リスク情報や土地の特徴を調べられます。
そして、地図だけで判断を終えず、現地の高低差や周辺の崖、擁壁と呼ばれる土を支える壁、排水の状況にも目を向けること。

気になる点があれば、自治体の防災・砂防・建築関係の窓口で資料や区域指定を確認し、必要に応じて専門家に調査を依頼することです。
見た目だけで、崖や擁壁の安全性を判断しない姿勢も大切だと思います。
また、崖や擁壁が誰の所有なのか、管理についてどのような取り決めがあるのかも、確認しておきたい点です。
私の熱海の案件でも、裏の崖は私の所有ではありません。

自分の土地や建物だけを見ていても、不動産のリスクは把握しきれない。
今回、そのことを身をもって感じています。
 

「手放したい」を、次の人の不安にしないために

一方で、すでに崖地や山林を所有している方に、「リスクがあるから買わない方がいい」と伝えるだけでは、何の解決にもなりません。

私たちの仕事は、そこから先を一緒に考えることです。

どこに、どのような土地があるのか。
境界や道路、周囲の住宅との位置関係はどうなっているのか。
管理上の課題は何か。
隣接地の所有者など、その土地を必要とする方はいないか。

資料と現地を確認し、売却や買取の可能性を一つずつ探していきます。
ただし、「0円物件なら必ず引き取り手がいる」「1円物件にすれば解決する」というわけではありません。
1円不動産であっても、取得後の管理や安全対策に大きな負担が見込まれれば、買主様は慎重になります。

売主様の不安を、説明しないまま次の所有者へ渡すような取引では、解決したとはいえません。
課題を整理し、わかっていることをきちんと伝え、それでも引き受ける意味のある方につなぐ。
その地道な作業が大切なのです。
 

不動産の仕事は、安心を一つずつ増やすこと

午前中は、被災した自分たちの物件の情報整理。
午後は、空き家の売主様が安心して片付けを依頼できるように同席。

別々の仕事のようでいて、根っこは同じなのかもしれません。
不安の原因を整理し、一人で抱え込まないようにすること。
すぐに答えが出ない問題もあります。
私自身の被災案件も、これからです。

それでも、わからないことを調べ、必要な方につなぎ、一つずつ進めることはできます。

株式会社リライトでは、横浜を拠点に、全国の空き家や山林、崖地をはじめ、底地・借地・借地権など、売却が難しい不動産のご相談に向き合っています。

「こんな不動産のことで相談していいのだろうか」

そう迷われている方こそ、まずは今、何が不安なのかをお聞かせください。
同じようなお悩みをお持ちの方はお気軽にご相談ください。
不安を一度にすべてなくすことはできなくても、安心につながる一歩は、一緒に探せるはずです。