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9月初日から法務局・横浜市役所・宅建協会へ――老朽化建物の売買で大切な「契約不適合責任」を学ぶ
みなさん、こんばんは。
株式会社リライト 代表の田中です。
今回は、建物の契約不適合責任について。
今日から9月。
ついこの間まで「夏季休業」と言っていた気がするのに、今年も残すところあと4か月です。
この調子でいくと、あっという間に年末がやってきそうですね。毎年同じことを言っている気もしますが…。(笑)
そんな9月初日は、朝から事務作業。
その後、金融機関を回って通帳を記帳し、当社が所有する賃貸物件の家賃がきちんと入金されているかを確認しました。
不動産会社の仕事というと、物件を案内したり、売買契約をしたりする姿を想像されるかもしれません。
しかし、実際にはこうした地道な入出金確認や書類整理も大切な仕事です。特に賃貸物件では、入金状況を定期的に確認することで、滞納や管理上の問題を早期に発見できます。
法務局から横浜市役所へ
金融機関を回った後は、横浜高速鉄道みなとみらい線「馬車道」駅近くにある横浜地方法務局へ。
不動産の登記関係を調査しました。
不動産を売却するためには、登記上の所有者、抵当権などの権利関係、土地や建物の表示内容などを確認しなければなりません。
特に、空き家、借地・借地権、底地、私道、再建築不可物件、相続後に長期間放置された土地などでは、現状と登記内容が一致していないことがあります。
「自分の不動産なのだから、登記も問題ないだろう」
そう思って調べてみると、昔の抵当権が残っていたり、亡くなった方の名義のままだったり、未登記建物が存在していたりすることも珍しくありません。
だからこそ、売却や買取を進める前の法務局調査が重要になります。
法務局での調査を終えた後は、そのまま横浜市役所へ移動。
宅建協会横浜東部支部の政策推進委員として、横浜市の担当者の方々と打ち合わせを行いました。
日々、現場で不動産に関する問題と向き合っていると、法律や制度だけでは解決できない課題がたくさん見えてきます。
空き家の増加、所有者不明土地、相続したまま放置される不動産、処分できない山林や農地、老朽化した建物など。
行政と不動産業界が情報を共有し、一緒に考えていかなければ解決が難しい問題は、これからますます増えていくと思います。
午後は宅建協会のセミナーで2時間みっちり勉強
午後は、神奈川県宅地建物取引業協会の本部へ。
横浜東部支部の研修相談委員による実務指導セミナーと、夏季研修セミナーに参加しました。
今回の夏季研修セミナーのテーマは、建物の契約不適合責任と建物診断について。
約2時間、みっちりと勉強しました。
不動産の仕事を長年続けていても、法律や制度、実務上の取り扱いは変化します。まして、当社が取り扱うのは、再建築不可物件や長期間放置された空き家、雨漏りした古家、傾いた建物など、一般的な不動産会社が扱わない物件が中心です。
だからこそ、「経験があるから大丈夫」と思わず、常に知識を更新しなければなりません。
契約不適合責任とは?
不動産売買における契約不適合とは、簡単にいうと、
「契約で説明・約束された不動産の状態と、実際に引き渡された状態が違うこと」
です。
例えば、「雨漏りはありません」と説明されていたのに、引渡し後の大雨で天井から水が漏れてきた場合、契約不適合にあたる可能性があります。
老朽化建物の売買で特に問題になりやすいのは、次の3つです。
1.雨漏り、屋根・外壁からの浸水
2.シロアリ、腐朽、柱や土台の損傷
3.給排水管の漏水、詰まり、排水不良
これらは建物の表面を見ただけでは分からないことがあります。
修理費も、部分補修なら数万円で済むことがありますが、屋根全体の葺き替えや柱・土台の交換、給排水管の引き直しまで必要になると、数百万円かかる可能性があります。
「築年数が古いから仕方がない」では済まされない
老朽化建物に不具合があるからといって、必ず売主が契約不適合責任を負うわけではありません。
重要なのは、
「その不具合が、売買契約の内容に含まれていたか」
という点です。
例えば契約前に、
- 建物に雨漏りがある
- 長期間空き家で設備の作動確認をしていない
- シロアリ被害の可能性がある
- 建物を利用するには大規模な修繕が必要
- 買主は建物を解体する目的で購入する
と具体的に説明し、買主が理解したうえで購入したのであれば、その状態は契約に織り込まれていると考えられます。
一方、売主が雨漏りを知っていたのに告知せず、契約書に「契約不適合責任免責」とだけ記載した場合、その免責特約によって必ず責任を逃れられるとは限りません。
特に、売主が知りながら買主へ伝えなかった事実については、免責特約があっても責任を問われる可能性があります。
また、宅建業者が売主となり、一般の方が買主となる売買では、「契約不適合責任を一切負わない」という特約は原則として認められません。
つまり、老朽化建物の売買では「古家だから現況有姿・免責で大丈夫」と簡単に考えるのではなく、
- 売主は何を知っているのか
- 建物のどこに不具合があるのか
- 買主は建物をどのように利用するのか
- どこまで調査したのか
- 誰がどのリスクと修理費を負担するのか
を契約書や告知書に具体的に記載することが大切です。
建物診断をしても、すべてが分かるわけではない
今回の研修では、建物診断についても学びました。
建物診断、いわゆるホームインスペクションを行うことで、基礎、外壁、屋根、雨漏り、建物の傾きなど、目視できる範囲の劣化や不具合を確認できます。
ただし、建物診断をすれば、壁の中や地中配管を含めてすべての問題が判明するわけではありません。
通常は目視や非破壊による調査が中心となるため、
- 家具や荷物の裏側
- 壁や天井の内部
- 床下の奥
- 地中に埋設された給排水管
- 雨が降ったときだけ発生する雨漏り
などは確認できない場合があります。
大切なのは、建物診断を「問題がないことを証明するもの」と考えるのではなく、「確認できた範囲と確認できなかった範囲を整理するもの」として活用することです。
これは再建築不可物件の売買では、特に重要です。
再建築不可物件は、老朽化した建物を安易に解体すると、新しい建物を建てられなくなる可能性があります。建物の状態だけでなく、接道状況、私道の権利、通行・掘削承諾、建替えの可否まで確認したうえで、修繕するのか、解体するのかを判断しなければなりません。
セミナー後も業務は続く
2時間の研修を終えた後は、横浜駅近くにある司法書士事務所を訪問し、登記関係の書類を手渡しました。
会社に戻ったのは18時前。
そこからメールへの返信や案件整理など、いろいろな業務を行い、最後は明日からの富山県出張の準備です。
振り返ってみると、今日は、
金融機関
↓
法務局
↓
横浜市役所
↓
神奈川県宅建協会本部
↓
司法書士事務所
↓
会社
という一日でした。
我ながら、なかなかよく動いたと思います。(笑)
ここのところ、休んでいる気がしません。そして今週も休みなし。
ただ、日本全国には、空き家、再建築不可物件、私道、借地・底地、山林、農地など、売却や処分ができず困っている方がたくさんいます。
そうした不動産を解決するためには、現地へ行くだけでなく、法務局や役所で調査し、法律や建物について学び、司法書士や建築士などの専門家と連携することが欠かせません。
知識がなければ、売主様を守れません。
調査が足りなければ、買主様も守れません。
だから、忙しくても学び続ける。
今日学んだ契約不適合責任と建物診断の知識も、これからの老朽化建物や再建築不可物件の売買に、しっかり生かしていきたいと思います。
まずは明日、富山県へ。
今週も休みはありませんが、一つひとつの不動産と丁寧に向き合っていきます。
老朽化した空き家や再建築不可物件の売却、買取、不動産相続、実家処分、借地・底地、私道などの不動産トラブルでお困りの方は、株式会社リライトまでお気軽にご相談ください。

