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本日の売買高は2円。それでも、売主様と買主様にとっては一生忘れられない不動産取引
みなさん、こんばんは。
株式会社リライト 代表の田中です。
今回は2円の本当の価値について。
本日の売買高は、合計2円でした。
午前中にご契約いただいたのは、静岡県熱海市上多賀にある販売価格1円の別荘。
午後にご契約いただいたのは、埼玉県入間郡越生町にある販売価格1円の土地です。
2件合わせても、売買代金は2円。
数字だけを見れば、一般的な不動産取引とは比べものにならないほど小さな金額です。
しかし、今日交わされた二つの契約には、金額では到底表すことのできない、それぞれのご家族の思いや未来が詰まっていました。
熱海市上多賀の1円別荘を、スタッフの皆様とDIYで再生
午前中は、静岡県熱海市上多賀にある1円別荘の売買契約でした。
この別荘は、土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーン内に位置しています。
さらに、敷地内に車庫がなく、道路から玄関までは約62段の階段。建物も長期間使用されていなかったため老朽化が進み、床の傷みや雨漏り、カビなど、相応の修繕が必要な状態でした。
別荘地のため、所有している限り管理費などの維持費もかかります。
海を望むことができ、自然豊かな環境という魅力がある一方で、一般的な別荘を探している方には、簡単にお勧めできる物件ではありませんでした。
当社では、建物の状態や立地条件、維持費、修繕にかかる可能性のある費用を隠さずお伝えしたうえで、1日限定の内覧会を開催しました。
内覧会には5組の方がお越しくださいましたが、最終的に購入を希望されたのは1組だけでした。
今回の買主様は、ご自身が代表を務める会社のスタッフの皆様と一緒に、建物をDIYで再生される予定です。
すでにスタッフの皆様も、これから始まるDIYを楽しみにされているとのこと。
一般的には「古くて修繕が大変な別荘」と見られる不動産が、買主様たちにとっては、仲間と力を合わせてつくり上げていく楽しみの場所になりました。
完成された別荘を買うのではなく、自分たちの手で少しずつ完成させていく。
その過程も含めて、この別荘の新しい価値になるのだと思います。
越生町の建築不可土地で、お母様の果樹栽培の夢を実現
午後は、埼玉県入間郡越生町にある建物建築不可の土地を、1円で売買しました。
こちらは当社が仲介した案件です。
この土地は市街化調整区域内にあり、もともとの地目は「畑」でした。
農地は、所有者が自由に売却したり、農地以外の目的で利用したりできるわけではありません。
そこで、農業委員会と協議を重ね、所有者様ご本人に法務局で「畑」から「雑種地」への地目変更登記をしていただきました。
農地法上の問題を整理したうえで、ようやく一般の方に向けて売却活動を始めることができたのです。
ただし、地目を変更すれば、条件の悪い土地が突然売りやすくなるわけではありません。
この土地には、
- 市街化調整区域内で建物を建築できない
- 車両の乗り入れが難しい
- 水道の引き込みがない
- 擁壁が老朽化している
- 土砂災害警戒区域に含まれている
といった課題がありました。
売主様は、若い頃に「将来価値が上がる」と説明され、右も左も分からないまま、この土地を購入されたそうです。
しかし、長い年月が経過しても土地を活用する機会は訪れませんでした。
ご家族からも「あの土地をどうするの」と聞かれ続け、売主様にとって、この土地は次第に精神的な負担となっていきました。
ご契約の際、売主様は、
「このままでは死んでも死にきれないと思っていました。買主様が現れて、本当に良かったです」
と話されていました。
一方、買主様の購入目的は、お母様の果樹栽培の夢を実現することでした。
すでに植える果樹の種類も決まっているそうです。
建物を建てられず、車で簡単に入ることもできない土地。
売主様にとっては長年抱えてきた「お荷物不動産」でしたが、買主様とお母様にとっては、これから果樹を育て、家族の思い出をつくっていく大切な土地になります。
同じ不動産でも、所有する人が変われば、その意味は大きく変わります。
1円玉を手渡す瞬間に流れる、独特の緊張感
1円物件の契約では、実際に買主様から売主様へ1円玉を手渡していただくことがあります。
この瞬間、なぜか毎回、妙な緊張感があります。
契約書や重要事項説明書には、市街化調整区域、再建築の可否、土砂災害警戒区域、管理費、建物の不具合など、たくさんの重要事項が記載されています。
何時間もかけて説明を行い、すべての内容を確認していただく。
そして最後に、買主様の手から売主様の手へ渡されるのは、たった1枚の1円玉です。
「落としたらどうしよう」
「本当にこの1円で契約が成立するんだな」
そんなことを考えてしまうからかもしれません。
普段、数千万円、時には億単位の不動産売買に携わっていても、1円玉がこれほど大きく見える瞬間は、1円不動産の契約以外にはありません。
売買価格が、不動産の価値とは限らない
本日の二つのご縁は、当社スタッフの廣澤と中川が、物件の課題から目をそらさず、売主様と買主様をつないだことで生まれました。
1円物件だから、簡単に売れるわけではありません。
むしろ、販売価格が1円でも問い合わせが入らない0円物件や、維持費や修繕費を考えると買主様が見つからない不動産も数多く存在します。
価格を下げるだけでは、不動産の問題は解決できません。
重要なのは、その不動産が持つ課題を正確に調査し、買主様が負担する費用やリスクを明らかにしたうえで、「この不動産を必要としている人は誰なのか」を考えることです。
熱海市上多賀の別荘は、DIYを楽しみたい会社の皆様へ。
越生町の土地は、果樹を育てたいお母様と、その夢をかなえたいご家族へ。
売主様にとっては手放したかった不動産でも、買主様にとっては、これから始まる新しい物語の舞台です。
本日の売買高は、2円。
それでも、売主様、買主様、そしてご契約に携わった私たちにとって、きっと一生忘れることのできない、かけがえのない不動産取引になりました。(^^)
当社 株式会社リライトでは、横浜を拠点に、全国の1円不動産、1円物件、0円物件、空き家、再建築不可物件、市街化調整区域、農地、山林、底地、借地、借地権など、一般的な不動産会社では取り扱いが難しい不動産の売却・買取に取り組んでいます。
実家処分、不動産相続、長年放置された空き家、不動産トラブルなど、「自分の代で何とかしたい」とお悩みの方も少なくありません。
すぐに買主様が見つかるとは限りません。
それでも、問題を一つずつ整理し、その不動産を必要としている方を探すことで、解決への道が開けることがあります。(^^)

