リライト田中の活動ブログ

マンモス都市・横浜もコンパクトシティへ 横浜橋商店街で感じた人口減少時代の不動産

2026/07/15
テーマ:ブログ

 みなさん、こんばんは。
株式会社リライト 代表の田中です。

 今回は、コンパクトシティ化について。
今朝9時頃、仕事のために横浜市営地下鉄ブルーラインの阪東橋駅近くへ行きました。

その際、少し時間があったため、久しぶりに横浜橋商店街を歩いてみました。

横浜橋商店街といえば、鮮魚店や精肉店、青果店、惣菜店などが並ぶ、横浜を代表する昔ながらの商店街です。

ところが、アーケードの中に入ってみると、歩いている人はまばら。

横浜橋商店街

もちろん、午前9時頃という少し早い時間だったこともあると思います。それでも、私の記憶の中では、昔は同じような時間帯でも、買い物客や商店の方々でもっと活気があったように感じます。

静かなアーケードを歩きながら、昨日確認していた「横浜市立地適正化計画」のことを思い出しました。

マンモス都市・横浜でも進むコンパクトシティ化

立地適正化計画とは、人口減少や高齢化が進む中でも、公共交通、医療、福祉、商業などの生活サービスを維持するため、住宅や都市機能を一定の地域に誘導していこうという計画です。

簡単に言えば、これから人口が減っていくことを前提に、街を広げ続けるのではなく、生活に必要な機能を効率よく維持できる街を目指すということです。

横浜は全国的に見れば、人口も多く、鉄道やバスなどの公共交通も充実した大都市です。

その横浜でさえ、将来を見据えてコンパクトシティ化を考えなければならない。

これは、不動産に関わる者として非常に重い意味を持つと感じています。

地方の人口減少や空き家問題は、決して地方だけの問題ではありません。

「横浜だから大丈夫」
「駅から歩けるから大丈夫」
「商店街があるから人は減らない」

そう言い切れる時代ではなくなってきています。

ショッピングモールの便利さと商店街の衰退

郊外に大型ショッピングモールが増えたことで、私たちの暮らしは確かに便利になりました。

広い駐車場があり、食料品、衣料品、家電、飲食店、映画館まで一か所に揃っています。小さなお子さんがいるご家族や、車を中心に生活している方にとっては、とても利用しやすい施設です。

ただ、その便利さの一方で、昔ながらの商店街から買い物客が離れていったことも否めません。

後継者不足によって閉店するお店もあります。

人口が減れば買い物客も減る。
お店が減れば、街を歩く人も減る。
人通りが減れば、新たに出店しようとする人も慎重になる。

こうして少しずつ、商店街の元気が失われていきます。

全国の空き家や売れない不動産を調査していると、この流れは地方都市だけでなく、首都圏の住宅地でも確実に始まっていると感じます。

外国料理店の増加は、街が変化している証し

今回、横浜橋商店街を歩いていて感じたのが、外国料理や外国食材を扱うお店が以前より増えているように見えたことです。

これを単純に「昔ながらの商店街が衰退してしまった」と捉えるべきではないと思います。

地域に住む人の構成が変われば、必要とされる商品やサービスも変わります。

昔から営業してきたお店が閉店した後に、新しい人が店舗を借り、新しい料理や文化を持ち込む。これは、空き店舗に新たな使い手が生まれているとも考えられます。

街は、昔とまったく同じ姿のまま残るものではありません。

そこに暮らす人や働く人に合わせて、少しずつ姿を変えていくものです。

寂しさを感じる一方で、新しい担い手が商店街の灯りを守っているという見方も必要だと思います。

今後は「街の持続可能性」が不動産価値を左右する

これからの不動産は、駅からの距離や土地の広さだけで価値を判断することが難しくなります。

例えば、次のような点も、今まで以上に重要になります。

  • 近くのスーパーや商店が将来も営業を続けられるか
  • バス路線が維持される地域か
  • 病院や福祉施設へ通いやすいか
  • 高齢になっても生活しやすい場所か
  • 空き家や空き店舗が増えていないか
  • 行政が将来どの地域に都市機能を集めようとしているか

不動産を売却するときには、現在の利便性だけでなく、10年後、20年後にその地域がどうなっているのかまで考える必要があります。

これは、一般的な住宅地だけの話ではありません。

当社にご相談いただく再建築不可物件、市街化調整区域の土地、底地、借地、借地権、山林、農地などは、もともと買い手が限定されやすい不動産です。

そこに人口減少や地域の商業機能低下が重なると、さらに売却が難しくなる可能性があります。

実家処分や不動産相続についても、「いつか売ればよい」と放置している間に、周辺環境や市場性が変化してしまうことがあります。

1円物件や0円物件でも買い手が見つからない理由

当社では、1円不動産や1円物件、場合によっては0円物件についても取り扱っています。

「1円ならすぐに売れるのではないですか」と聞かれることがありますが、現実はそれほど単純ではありません。

購入後に固定資産税や管理費がかかる。
草刈りや建物の解体が必要になる。
境界や私道の問題がある。
利用方法が見つからない。
将来的に売却できる見込みがない。

このような事情があると、たとえ価格が1円でも、買主様は慎重になります。

不動産は、価格が安ければ売れる商品ではありません。

その不動産を誰が、どのような目的で使えるのか。

そこまで考え、出口戦略を組み立てなければ、買取も売却も難しいのです。

売れない不動産には、地域の変化が表れる

全国の売れない不動産を見ていると、一つひとつの物件には、その地域が抱えている問題が凝縮されていると感じます。

人口減少、空き家の増加、商店街の衰退、公共交通の縮小、相続人の高齢化、管理されない土地の増加。

不動産トラブルは、所有者個人だけの問題に見えて、実は地域や社会全体の課題でもあります。

だからこそ、売主様に対して「売れません」と伝えるだけでは何も解決しません。

役所で法令や利用可能性を調べる。
近隣関係や接道状況を確認する。
その地域で必要としている人を探す。
場合によっては、買取や低価格での売却も検討する。

不動産会社には、物件だけでなく、その背景にある事情や売主様の感情まで理解する姿勢が必要だと思います。

街も不動産も、使う人がいてこそ価値が生まれる

今朝の横浜橋商店街は、私の記憶にある昔の姿より、少し静かに感じました。

しかし、決して希望がないわけではありません。

空いた店舗に新しいお店が入り、これまでとは違う人が訪れる。古い建物が新しい用途で使われることで、街にもう一度人の流れが生まれる可能性があります。

昔と同じ姿に戻すことだけが再生ではありません。

これから暮らす人、働く人、訪れる人に必要とされる場所へ変えていくことも、立派な街の再生です。

不動産も同じです。

一見すると売れない土地や空き家でも、必要とする人や活用方法が見つかれば、次の役割を持つことができます。

大切なのは、問題を見て諦めることではなく、その不動産に残されている可能性を一つずつ探していくこと。

横浜のようなマンモス都市でもコンパクトシティ化を考える時代だからこそ、所有している不動産の将来について、早めに考えることが大切です。