リライト田中の活動ブログ

相続した私道が子どもへの負担に…?今増えている“私道問題”と解決方法を不動産のプロが解説

2026/06/24
テーマ:ブログ

 みなさん、こんばんは。
株式会社リライト 代表の田中です。

 今回は、私道について。

私道トラブル

相続した私道が子どもへの負担になる時代

最近、当社には私道に関するご相談が非常に増えています。

先日も東京都内にお住まいのお客様がご来店され、

「相続した私道持分を手放したい」

というご相談をいただきました。

また、

  • 相続した空き家を売ろうとしたら「私道持分がないと売れません」と言われた
  • 親から私道を相続したが、自分の子どもには残したくない
  • 固定資産税はかからないけれど、このまま持っていて大丈夫なのか不安

というご相談も少なくありません。

不動産業界では土地や建物に目が行きがちですが、実は「私道」が将来大きな問題になることがあります。

今回は、私道についてわかりやすく解説したいと思います。


そもそも私道とは?

道路には大きく分けて2種類あります。

  • 公道(国や自治体が管理する道路)
  • 私道(個人や法人が所有する道路)

です。

例えば住宅街の奥にある家に行くための道路が、実は近所の方々で共有している私道だったというケースは珍しくありません。

毎日当たり前のように使っている道路でも、法務局で調べると個人所有だったということもあります。


私道を持つリスクとは?

①所有者責任が発生する

私道は自分の土地です。

つまり、道路として使われていても所有者責任があります。

例えば、

  • 路面が陥没した
  • 側溝が壊れた
  • 樹木が道路にはみ出した
  • 私道上で事故が起きた

などの場合、状況によっては所有者が対応しなければなりません。

「道路だから市役所がやってくれる」

と思われる方もいますが、私道の場合はそうならないことも多いのです。


②維持管理費がかかることがある

舗装の補修

排水設備の修理

雑草の除去

樹木の伐採

などが必要になることがあります。

特に共有私道の場合、

「誰がお金を出すの?」

という問題が発生しやすい。

実際の現場では、

「20年以上誰も管理していない」

という私道も少なくありません。


③将来の相続問題になる

最近増えているのがこれです。

所有者が亡くなると私道も相続財産になります。

すると、

子どもが

「こんな道路いらない」

と思っても自動的に相続対象になります。

土地の価値がある宅地ならまだしも、私道だけを相続しても売却先が見つからないこともあります。

そのため、

「自分の代で何とかしたい」

というご相談が増えているのです。


固定資産税がかからない私道なのに不安になる理由

私道の中には公共性が認められ、固定資産税が非課税になっているものがあります。

すると所有者の方は

「税金がかからないから問題ないのでは?」

と思われることがあります。

しかし実際には、

  • 所有者責任は残る
  • 相続対象になる
  • 売却しにくい
  • 管理問題が発生する

ため、

税金がかからないことと安心できることは別問題です。

むしろ、

「税金がかからないから何十年も放置されている」

ケースも珍しくありません。


国庫帰属制度で国に引き取ってもらえる?

2023年から始まった

相続土地国庫帰属制度

があります。

これは相続した不要な土地を国へ引き渡せる制度です。

しかし、

私道の場合は注意が必要です。

引き取ってもらえる可能性があるケース

  • 管理が容易
  • 権利関係が明確
  • 境界がはっきりしている

など

難しいケース

  • 他人の利用が前提
  • 複数人共有
  • 管理負担が大きい
  • 境界問題がある

など

実務上は私道だからといって簡単に引き取ってもらえるわけではありません。

さらに審査手数料や負担金も必要になります。

そのため、

「国庫帰属制度があるから安心」

とは言い切れないのが現実です。


私道持分がない方は購入した方がいい理由

これは非常に重要です。

空き家や土地を相続された方の中には、

目の前の私道を使っているのに私道持分を持っていない

というケースがあります。

この場合、

将来的に売却時に問題になることがあります。


①買主が不安に思う

購入希望者からすると

「道路を使っていいの?」

という不安があります。

権利関係が複雑な不動産は敬遠されやすい。


②住宅ローンに影響する場合がある

金融機関によっては、

私道持分や通行承諾関係を重視します。

場合によっては融資条件に影響することもあります。


③売却価格に影響する

私道持分がある物件とない物件では市場評価が変わることがあります。

買主からすると、

「権利がある方が安心」

だからです。


④今は問題なくても、将来のトラブル予防になる

所有者が変わった途端に話が複雑になることがあります。

そのため購入できる機会があるなら、私道持分を取得しておいた方が良いケースは少なくありません。


不動産の価値は土地だけで決まらない

私はこれまで全国の空き家や負動産を見てきました。

その中で感じるのは、

不動産の問題は建物や土地だけではない

ということです。

私道

農地

山林

借地

底地

共有持分

こういった権利関係が複雑な不動産ほど、将来の負担になりやすい。

そして多くの方が

「もっと早く相談しておけば良かった」

とおっしゃいます。

私道は毎日使うからこそ存在を意識しません。

ですが、相続や売却の時に初めて問題が表面化することがあります。

もしご実家や空き家、相続不動産に私道が関係している場合は、一度権利関係を確認してみてはいかがでしょうか。

将来、お子様に負担を残さないためにも、早めの対策が大切です。

同じようなお悩みをお持ちの方はお気軽にご相談ください。