リライト田中の活動ブログ

【分家住宅を“負動産”にしないために】市街化調整区域の分家住宅と家族信託・任意後見制度の活用ポイント

2026/02/25
テーマ:ブログ

 みなさん、こんばんは。
株式会社リライト 代表の田中です。

 今回は、家族のための本当の終活について。
本日は、午後から都内にて静岡県御殿場市の貸宅地(底地)売却契約を無事に終え、その後、有楽町の司法書士事務所にて打ち合わせを行いました。

今回のご相談は、埼玉県某所の市街化調整区域にある分家住宅にお住まいのご年配のご夫婦からの案件です。

・土地は奥様名義
・建物はご主人様名義
・いわゆる「分家住宅」
・将来、お子様に残したくない
・お子様は相続放棄も検討中

まさに、今後ますます増えていくであろう典型的なご相談内容でした。


■ 市街化調整区域の分家住宅という現実

市街化調整区域に建つ分家住宅は、

  • 原則として再建築や用途変更が難しい

  • 第三者への売却が容易ではない

  • 買主が限定される

  • 金融機関の融資も通りづらい

という特徴があります。

「いざ売ろう」と思った時に、
通常の不動産よりもハードルが高いのが現実です。

しかも今回は、

・今売却すると住む場所がなくなる
・賃貸に移ると長生きした場合の家賃負担リスクがある
・将来、どちらかが認知症になった場合の手続き問題
・どちらかが亡くなった後に、もう一方が施設入所する可能性

と、複数の課題が重なっています。


■ 今回のポイント:元気なうちにしかできない準備

問題の核心はここです。

認知症になってからでは、不動産は原則自由に売却できない。

判断能力がなくなると、
家庭裁判所の関与が必要となり、
売却までに時間も費用もかかります。

だからこそ、

「元気な今、どう備えるか」

これが最大のテーマでした。


家族信託という選択肢

■ メリット

✔ 判断能力が低下しても、受託者(例えばお子様)が売却可能
✔ 家庭裁判所の関与が不要
✔ 柔軟な設計が可能(売却→施設入所資金へ充当など)
✔ 相続発生後の承継先も事前に決められる

■ デメリット

✖ 設計が複雑で専門家関与が必須
✖ 初期費用がかかる
✖ 家族間の合意形成が不可欠
✖ 受託者に責任が発生する

家族信託は「攻めの終活」とも言えます。
将来の売却まで想定した強い仕組みです。


任意後見制度+遺言という選択肢

■ 任意後見制度のメリット

✔ 将来の判断能力低下に備えられる
✔ 信頼できる人を後見人に指定できる
✔ 財産管理の枠組みを整えられる

■ 任意後見制度のデメリット

✖ 発効時に家庭裁判所が関与
✖ 後見監督人が付く可能性
✖ 不動産売却には一定の制約


■ 遺言のメリット

✔ 相続発生後の権利関係を整理できる
✔ 争いを防止できる
✔ 不動産の帰属を明確にできる

■ 遺言のデメリット

✖ 生前の売却問題は解決できない
✖ 認知症対策にはならない


では、どちらが正解なのか?

正解は「家庭によって違う」です。

・将来売却する可能性が高いのか
・お子様が協力的か
・費用負担をどう考えるか
・財産全体の構成はどうか

不動産単体ではなく、
人生設計全体の中で考える必要があります。


分家住宅を“相続トラブル”にしないために

今回のご夫婦は、

「子どもに迷惑をかけたくない」

という一心で動かれています。

これは本当の意味での終活です。

何も準備せずに相続を迎えると、

・共有状態になる
・売れない不動産になる
・固定資産税だけが残る
・相続放棄という選択になる

結果として、不動産が“負動産”化してしまいます。


まとめ:不動産終活は元気なうちに

✔ 市街化調整区域の分家住宅は売却難易度が高い
✔ 認知症になる前の対策が重要
✔ 家族信託は柔軟で強力な手段
✔ 任意後見制度+遺言は安定型の備え
✔ 家族全体での話し合いが不可欠

今回のお客様は、
この打ち合わせ内容を協力者としてお子様に伝えられるとのこと。

まさに「家族想いの終活」です。


■ 分家住宅・市街化調整区域の売却や将来対策でお悩みの方へ

・分家住宅の売却は可能か?
・将来施設入所時に売却できる仕組みは?
・相続放棄しか方法はないのか?
・家族信託と任意後見制度、どちらが良いか?

横浜を拠点に全国の難しい不動産を扱ってきた当社が、
司法書士・税理士等の専門家と連携し、最適な方向性をご提案いたします。

不動産の終活は、元気なうちに。

それがご家族への最大の贈り物かもしれません。