土地地代収入があった都心の土地が、火災をきっかけに“固定資産税だけがかかる土地”に…
| ご相談者: | T.T 様(インターネットからのお問い合わせ) 横浜市港北区 |
今回ご相談いただいたのは、東京都文京区向丘1丁目に土地をご所有されているお客様でした。
対象不動産は土地面積約76㎡の土地。
お客様が約11年前に購入された当時、その土地には借地人様所有の建物が建っており、毎月地代収入を得ることができる、いわゆる「底地」と呼ばれる不動産でした。
固定資産税を支払っても手元に収益が残るため、安定した資産運用を目的として購入された土地でした。
しかし、約3年前に予想もしなかった出来事が起こりました。
借地人様所有の建物で火災が発生。
建物は焼失してしまい、さらに火災により亡くなられた方もいる事故となってしまいました。
その結果、借地契約は終了し、それまで入っていた地代収入はなくなりました。
さらに建物がなくなったことで住宅用地の固定資産税軽減措置が受けられなくなり、都心部ということもあり、固定資産税の負担が大幅に増加してしまいました。
「収入がある土地」だったはずが、突然「毎年高額な税金だけを払い続ける土地」に変わってしまったのです。
お客様自身も隣接地所有者様と売買について話し合いをされましたが、条件面で折り合いがつかず協議は不調。
複数の不動産会社にも相談されたそうですが、良い条件での売却方法が見つからず、問題不動産を専門的に取り扱う当社へお問い合わせいただきました。
状況

文京区の土地なのに建替え不可…原因は隣地建物の越境
現地調査を行うと、この土地には大きな問題がありました。
一見すると東京都文京区という非常に資産価値の高いエリアにある土地。
しかし、対象地はいわゆる路地状敷地でした。
建築基準法では、建物を建築するためには原則として道路に2m以上接している必要があります。
今回の土地も本来であれば約2mの通路部分がありました。
ところが――。
道路側にある隣地建物の一部が、この通路部分へ越境。
その影響で有効な通路幅が不足しており、隣地建物の越境が解消されない限り、建物を建築することができない「再建築不可物件」となっていました。
つまり、
・建物は火災により焼失
・地代収入なし
・高額な固定資産税負担あり
・事故物件の経緯あり
・現状では建物建築不可
という非常に難易度の高い不動産になっていました。
都心の土地だから必ず高く売れる、というわけではありません。
不動産の価値は「場所」だけではなく、「どのように利用できるか」が非常に重要になります。

解決策
再建築不可の土地を“種地”として評価できる買主様へ
通常の住宅購入希望者様に販売しても、この土地は建物を建築することができません。
そこで当社では、この土地を単独利用するのではなく、将来的な可能性に価値を見出せる買主様への販売を検討しました。
今回の土地は文京区という希少性の高い立地。
そのため、隣接地との一体利用や将来的な権利調整を前提とする「種地」として考えることができました。
当社では、再建築不可物件や権利調整が必要な土地を購入できる専門性の高い不動産会社を中心に紹介。
さらに今回は当社だけでなく、大手不動産会社とも連携し、より幅広く売却活動を行いました。
その結果――。
建物を建築することができない土地にもかかわらず、1,500万円以上という金額で売却することに成功しました。
お客様も当初想定されていた以上の条件で売却でき、大変喜んでいただくことができました。
担当者からの一言
今回の不動産は、私自身も改めて「不動産は何が起こるかわからない」と感じた案件でした。
購入当時は、毎月地代収入が入り、固定資産税を支払っても利益が残る不動産。
誰が見ても安定した資産だと思われていた土地でした。
しかし、借地人様所有の建物で発生した火災により状況は一変しました。
建物がなくなることで収入はなくなり、逆に固定資産税の負担だけが残る。
さらに調査を進めると、隣地建物の越境により建替えもできない。
このような未来を購入時に予測することは非常に難しかったと思います。
ただ、不動産には必ず何かしらの可能性があります。
今回も「住宅を建てる土地」として見ると価値を出すことは難しい土地でした。
しかし、「将来のための種地」という別の視点で考えることで、新しい所有者様へバトンをつなぐことができました。
当社には全国から、
「建物が建てられない」
「他社で断られた」
「所有しているだけで費用がかかる」
という不動産のご相談が寄せられています。
私たちはいつも思っています。
売れない不動産はない。
ただ、その不動産を必要としている方にまだ出会えていないだけ。
これからも一つでも多くの問題不動産の出口を探していきたいと思います。


