戸建「扱えない」と言われた借地権物件を、年内成約へ導いた事例(東京都荒川区)
本件は、大手不動産仲介会社様より
「この借地権付建物、買取りできないか」
と当社にご相談をいただいたことが始まりでした。
物件調査を進める中で、
一般的な不動産取引では敬遠されがちな条件が次々と判明しました。
状況
■ 物件の概要と課題
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借地面積:約33㎡
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境界不明
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当初2階建予定の建物が、なぜか3階建で建築・登記
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建築基準法上の建蔽率超過
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築約30年・リフォーム履歴なし
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建物:お母様名義/借地権:娘様名義
さらに借地権物件特有の問題として、
地主様の承諾条件(譲渡承諾料・増改築承諾料・更新料・地代増額)が提示され、
当社としての買取りは事業収支上成立しないとの判断に至りました。

解決策
■ 仲介としての支援に切り替え
その判断を売主様に正直にお伝えしたところ、
「他の不動産会社からも難しいと言われている」
と、不安なお気持ちを吐露されました。
当社では
「買取りができない=お手伝いできない」ではない
という考えのもと、
仲介として引き続きサポートさせていただくことをご提案しました。
■ 地主様との再協議と解決の糸口
借地権譲渡に伴う承諾料が高額であったため、
地主様に対し、
借地権を地主様ご自身で買い戻す選択肢はありませんか?
とご提案。
複数回の協議と建物内部のご見学を経て、
最終的に地主様ご自身が買主となる方向で合意に至りました。
■ 成年後見という法的課題
しかし、ここで新たな課題が浮上します。
建物の所有者であるお母様は長年施設に入所されており、
実際に面談を行った結果、
売却に関する意思確認が困難な状態であることが判明しました。
そのため、娘様主導で
を進め、約6か月後に
娘様が成年後見人として選任されました。
さらに、成年被後見人の不動産売却には
家庭裁判所の売却許可が必要という重要な手続きもありました。
■ 年末という時間的制約
地主様からは
「年内でなければ購入しない」
という条件が示される中、
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裁判所の売却許可取得:12月17日
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契約・引渡し予定日:12月26日(法務局最終日)
という、極めてタイトなスケジュールで進行。
契約前日には、
「この許可内容によっては登記ができない可能性がある」
という想定外の事態も発生しました。
■ 契約・引渡し当日
司法書士の先生が当日朝から裁判所と調整を行い、
必要書類を改めて取得できる見通しが立ったため、
予定通り契約を迎えました。
司法書士と売主様が霞が関で書類を受領する間、
私は買主様への重要事項説明・契約内容の確認を実施。
その後、全員が揃い
売買契約・代金決済・所有権移転登記を年内最終日に完了することができました。