あいさんの時々ブログ

土地の国有化は万々歳ですか?

2021/10/05
 日本全国に広がる空き地の問題を解消すべく、国家土地帰属法という法律
(いわゆる空き地国有化法案が国会で採決されました。
  相続された不要な空き地について、国が一定の条件を満たせば引き受けること
になりました。
  空き地を所有されている方は万々歳で一安心と。
  おっと一安心のはずですが、そこにたどり着くにはまだ高い山がそびえ立って
いそうです。
 成立したこの法律では、相続(遺贈含む)で取得した土地の相続人は、一定要件
を満たす場合で10年分の管理負担金を納付すれば、土地所有権を国に移転する
ことができます。
 一定要件とは、その土地に、① 建物がないこと、② 担保権等の設定がないこと
③ 通路など他人の使用がないこと、④ 土壌汚染がないこと、⑤ 境界が明示されて
いること、⑥ 所有権の帰属・範囲に争いがないこと
 加えて、崖、工作物、車両、樹木などがあって通常の管理に過分の費用や労力
を要する土地は除くとなっています。
 さて、皆様の相続された土地は無事にこの要件をクリアーして、めでたく国へ
所有権を移転出来そうでしょうか?
 ⑤の境界の明示といわれると、境界杭や境界立会いが必要で、山の境界では
ほとんどはっきりしていなくてアウト、農地も耕地整理等した農地以外はほぼアウト。
 また宅地も崖があるとアウト、雑種地も草刈りや樹木も費用が掛かるためアウト、
別荘地は高額な管理費がネックでアウト、という具合ですね。
 残った土地は平坦な宅地ぐらいになりませんか?平坦な宅地ならわざわざお金を
払わなくても普通に売却が出来そうです。
 つまり国が買い上げする対象の土地の面積は、全国の空地の100分の1どころで
なく、「甲子園球場の一握りの砂」程度にしかならないと思われます。
 残念ながら、やはり当社代表の田中のように、皆様のお悩み不動産を一つ一つ

解決のために地道な努力を積み重ねていくしかなさそうです。